歯科口腔外科

歯科口腔外科とは

歯科口腔外科とは
歯科口腔外科とは、唇、歯、歯茎、舌などをはじめ、唾液腺、顔や顎の骨、顎の関節など顔面全体を対象とし、これらに生じた病気を治療して機能を回復させる診療科のことをいいます。歯や顎の変形などの外科的治療、口臭症などの内科的治療、そして腫瘍などの治療まで幅広く行ないます。
この領域で何らかの症状を発症すると、食事や発音、会話がうまくできないなどの機能的な障害が出てしまうほか、歯や顎の変形など審美的な障害も生じます。しかし治療により顔面全体の形状や機能が回復することで明るい表情を取り戻し、健康的な美しさを得ることができます。


抜歯について

親知らずとは
歯科口腔外科で行なう治療といえば、一般的によく知られているのが『埋伏歯』(親知らず)の抜歯ではないでしょうか。
永久歯は13歳ごろまでに28本生え揃いますが、それから何年も遅れて一番奥に生えてくる歯を、一般的に『親知らず』といいます。この歯は大人になってから生えるので、親はその歯の存在を把握できません。このことから『親知らず』という名前がつきました。
親知らずは上下顎の左右一番奥に、計4本生えます。真っすぐ生えてくるとは限らず、斜めに生えたり真横に生えたり、逆にまったく生えない人もいます。

親知らずの抜歯
「親知らずは抜歯しなければいけない」といわれることがありますが、上下の親知らずが正常に噛み合っていて、虫歯や歯周病になっていなければ抜歯の必要はありません。しかし、親知らずの一部が口の中に露出しているとその隙間に汚れが溜まり、歯茎の炎症や、隣接する歯の虫歯の原因となります。その結果、健康な歯まで抜歯しなければならなくなる可能性があるので、このような場合は、たとえ痛みがなくても早めに抜歯することをおすすめします。

なお、歯科口腔外科の知識と技術のある歯科医師は、熟練した手技により抜歯の際の顎や骨、歯茎への負担を最小限に抑えることができるので、患者さまに安心して治療を受けていただけます。


歯牙移植

歯牙移植とは
私たちは新聞やテレビで、骨髄、肝臓、角膜などの臓器が移植されたというニュースを目にすることがあります。それと同じように、じつは歯も移植できるということをご存じでしょうか。
これを『歯牙移植』といいます。なかでも、自分の不要な親知らずや抜歯の必然性のある臼歯を、欠損した箇所に移すことで機能を回復させる治療法を『自家歯牙移植』といい、臓器移植と同じく、最先端の治療法といえます。

歯牙移植のメリット
歯牙移植の最大のメリットは、歯根(歯槽骨の中で歯を支える組織)や歯根膜(歯根と歯槽骨を繋いでいる繊維性結合組織)も同時に移植できることです。とくに歯根膜の移植により、咬合や噛み心地が脳に正しく伝達されるため、健康な歯の感覚を保つことが可能となります。また顎骨と結合することにより、新たな骨が形成されます。この点は、人工歯根と骨とが結合するインプラントとは、大きく異なります。
自分の歯や組織(歯根・歯根膜など)を有効利用する自家歯牙移植は、免疫系による拒絶反応やウイルス感染の心配がなく、最も安全性の高い治療法といえます。

なお当院ではやむを得ない場合を除き、すぐにインプラント治療をするという選択はしません。まずは歯牙移植が可能か否かを検討し、可能であれば歯牙移植をおすすめしています。自分の歯を残すということは、その後の患者さまの生活やお口の健康を考えたときに、とても有効な治療法です。

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